ささやかながらも、大いなる休暇 32006年02月17日 04時25分10秒

ロビーで一瞬私の視界を横切った、派手な人とは、
オダギリジョー、でした。

この日、キネ旬の主演男優賞を受賞した彼は(受賞者は事前に発表されている)、ブルーのスーツに赤い帽子。
彼のCM風に言うならば、
「どうなの、おれ?かっこいいの、それ?」
という感じ。
いつも衣装が不思議なんだけど、スタイリストさん、それってどうなの?
おばさんにはわからないセンスのかしら、と思っていたら、
その後の表彰式で、舞台出演のため会場に来られなかった助演男優賞の堤真一がビデオで「オダギリくんの突飛な服装が見られなくて、残念」というようなことをコメントして、場内爆笑。もっとも堤さんも、私と同世代ですけどね。
ちなみに表彰式について、ジャッキーはこんなこと書いてます。
http://amakuma.asablo.jp/blog/2006/02/12/250263

でもオダジョーくんの主演男優賞受賞は、納得である。
『メゾン・ド・ヒミコ』でゲイの青年を演じた彼は、水棲動物のようなぬめりのある存在感が、秀逸だった。
表彰式には、同作の監督である犬童一心監督がお祝いにかけつけていた。現役の日本の監督の中でも、トップクラスの才人だ。作品はもちろん、私は監督の映画に対する考えというのを、とても信用していて、何度か取材をさせていただいている。親切なTさんのご配慮で、式後に、監督と雑談をしていると、そこへオダジョーくんも登場。
私服らしい黒いセーター姿で、こっちのほうが全然かっこいいじゃーん。
もちろん、そんなことは当人に言えない小心者の私であった(笑)。

犬童監督と談笑するオダジョーくんは、とてもリラックスして、いい感じである。犬童監督は、大柄でいがぐり頭なので、一見とっつきにく感じだが、実はとてもソフトで、少女の心も秘めたとてもユニークな人。
あ、誤解しないでね。監督には愛妻弁当を作ってくれる、10才下のかわいい奥様がいます。おかげで10キロ以上痩せたらしい。愛妻弁当の威力、おそるべし。

しかし、小心者のくせに、とんでもないことを口走る癖のある私。犬童監督が、「メゾン~」は監督賞も、主演女優も助演男優賞も2位に終わり(柴崎コウ、西島秀俊)、オダジョーくんだけが1位を取れたんだよねー、という話になったときに、「それは彼が、『イン・ザ・プール』では継続性勃起症の男を絶妙に演じたから、その点も加算されたのでは」というようなことを、のたまわってしまった。

「えーっ」って笑っていましたが、ほんと『イン・ザ・プール』も面白かったのよ。しかしあの映画ではオダジョーくんは、助演的立場だったので、これは加味されてないのかも。
その後、彼は「時効警察」のロケがあるからと去っていったが、このドラマの演出をしているのが『イン・ザ・プール』の三木聡監督。この映画、あまり話題にならなかったのが残念だが、だまされたと思って見てください。かなり面白いです。 『時効警察』が好きなら、きっとりツボにはまるでしょう。

その後、中華料理店でのお祝いにも顔を出させていただいた。他のものには目もくれず、北京ダックを食べていた私。
あらためて、ありがとうございます、Tちゃん。そして、おつかれさまでした!

9時ごろ、『パッチギ!』を見終わったジャッキーと合流し、今度は沖縄料理屋へ。やっぱりオリオン生はうまいぜ!

というわけで、ながーい土曜日を送ったのでした。